ロックバンド、キャロルの元メンバーで、肺がんで闘病中だった歌手ジョニー大倉さん(本名・大倉洋一)が、19日午後5時56分に肺炎で東京・広尾の日本赤十字社医療センターで亡くなっていたことが27日、分かった。62歳だった。故人の遺志で葬儀などは近親者で済ませた。後日、お別れの会を開く予定。

 大倉さんの訃報を受け、矢沢永吉(65)が所属事務所を通じて追悼コメントを発表した。「非常に残念です。心からお悔やみ申し上げます」。75年のキャロル解散後、矢沢から大倉さんについて発した初めてのコメントだ。

 2人の出会いは72年4月。矢沢が、川崎市の楽器店に「ビートルズとロックンロールの好きなヤツ求む」と募集のはり紙をし、大倉さんが応じた。「ファンキー・モンキー・ベイビー」などのヒット曲を2人で作り、認め合う関係だった。

 解散後は確執が注目され、キャロル時代の権利や肖像権をめぐっての争いも報じられた。ソロでビッグになっていく矢沢が沈黙を守る中、大倉さんは矢沢への批判を重ね、03年には「キャロルは矢沢だけのものじゃない」と発言した。一方でその後、「価値観の違いは相いれなかったけど、(矢沢とは)強い友情で結ばれていた」と話し、関係者も「ジョニーは矢沢さんのことが大好きなんです」と話していた。