シリーズ累計410万本を売り上げているカプコンの大人気ゲーム「逆転裁判」が実写映画化され、来年初春に公開されることが26日、分かった。09年の「ヤッターマン」など、迫力あるVFX(視覚効果)を使った映像作りに定評のある三池崇史監督(50)がメガホンを取り、俳優成宮寛貴(28)が、主人公の弁護士・成歩堂龍一(なるほどう・りゅういち)を演じる。検事・御剣怜侍(みつるぎ・れいじ)を斎藤工(29)、成歩堂を助ける霊媒師・綾里真宵(あやさと・まよい)を女優でモデルの桐谷美玲(21)が演じる。

 01年10月の発売後、「法廷バトル」という新ジャンルを確立した名作ゲームが満を持して映画になる。ゲームは、10代から30代の女性を中心に人気。豪華な衣装を着た成歩堂や御剣が、法廷内で「異議あり!」「待った!」「くらえ!」と叫ぶシーンが受けている。08年と09年には、東京フィルハーモニー交響楽団と連携したオーケストラコンサートが開かれた。

 同作品の撮影は、10日に京都で始まった。約1000人が入れる法廷セットが用意されるなど製作側も相当な力を入れている。成宮は「僕も世界観をつかむためにゲームをやってみましたが、かなり忠実に再現されていることに驚きました」。斎藤も「最高に魅力的な役なので全身全霊でしっかり存在したい」と気合を入れて演じている。

 6月下旬に実写部分の撮影が終わってから、生命線となる法廷バトルを描くために必要なVFX、CGの製作に取りかかる。完成は年末を予定。三池監督も全6作をプレーし、世界観を頭にたたき込んだ。ゲームの逆転裁判をよく知る桐谷は「真宵に決まったと聞いてすごくうれしかった。ゲームの中の世界をどう実写にするのか楽しみ」。東山将之プロデューサーは「世界観を完全再現し、見たことのない映像を見せます」と意気込んでいる。