東山紀之(44)が主演する、藤沢周平原作の映画「小川の辺」(篠原哲雄監督)が18日、撮影の多くが行われた山形県で先行公開され、東山が山形市で1日20回、延べ2836人を前に舞台あいさつを行った。1カ所で1日に行った舞台あいさつとしては史上最多。妊娠中の妻で女優木村佳乃(35)についても語った。全国公開は7月2日。

 県内最大のシネコン、MOVIE

 ONやまがたの10スクリーンで2回ずつ舞台あいさつが行われ、各回満員だった。東山は午前10時から約9時間動きっぱなしだったが、20回目のあいさつでは「少年隊のデビューコンサートは5回やりましたから、何てことないね。余裕だね。あと100回できます」と笑った。舞台裏に戻っても「皆さんと触れ合う時間が楽しかったです」と話した。

 毎回観客から質問を受け、場を仕切るなどサービス満点だった。撮影後はロケ先からホテルまでの5~7キロをジョギングし地元の人たちに「頑張って」と声を掛けられたこと、ブランド米「つや姫」など山形県産の食材を送ってもらっていることなどを話し、観客を喜ばせた。最後は「県民になっちゃおうかな」との言葉も飛び出した。

 山形県は、初の藤沢作品「山桜」(08年)の撮影から縁ができた場所とあって「ここに来ると安心します。大切にしたい地の1つになりました」。前日17日には、市内の馬見ケ崎川の河原に再現されたセットの公開式典に出席し、より一層絆が深まった。

 今回、最多舞台あいさつのギネス申請も検討されたが、東日本大震災後ということもあり見送られた。東山も、多くの被災者が県内に避難していることを気に掛け「エネルギーになってくれたら」と話した。19日には米沢市などでも舞台あいさつを行う。この日はほかに、勝地涼、松原智恵子、藤竜也らも出席した。【小林千穂】