俳優三浦孝太(28)が公開中の映画「ファイナル・ジャッジメント」(浜本正機監督)で映画初主演を果たした。俳優三浦浩一とタレント純アリスの次男で、07年の舞台で俳優デビューした。今回の主演はオーディションで勝ち取った。「発表はオーディションの2カ月後。諦めかけていたので、決まった時は泣きました」。

 軍事占領された近未来の日本を舞台に、自由を取り戻そうと立ち上がった主人公を演じた。「初映画で最初は自信がなくて悩んだ。人格が180度変わる前後の演技を境に、自分の中でも演技が良くなった」という。

 昨年11月、被災地となった福島県いわき市に東京・渋谷の街並みを再現したオープンセットで大規模なロケ撮影を行った。エキストラ約700人を前に7分も演説する場面もあった。「何度も撮影し、1人1人の目を見て話し掛けるように演じた」。終了後に浜本監督から「自由自在になった」と声を掛けられた。「舞台をやってきたので、人前で話すのは楽しくてやりやすかった」。

 試写を見た時、また泣いた。俳優を志したのは「映画」に憧れたから。夢の実現を実感して涙があふれてきた。「映画に主演できて感謝しかない。自分ではやり切った思いもある」。【林尚之】