嵐の櫻井翔(30)が、主演映画「謎解きはディナーのあとで」(土方政人監督、来年公開)のシンガポールロケにこのほど参加した。財閥令嬢で新米刑事の宝生麗子(北川景子)が毒舌執事の影山(櫻井)と、休暇で乗り込んだ宝生家所有の豪華客船「プリンセス・レイコ号」で起きた殺人事件の謎を解くストーリー。ロケは、主にアジア最大の豪華客船、スーパースター・ヴァーゴ号で行われた。

 アジア各地を周遊する平常運航する中、撮影が行われた。約10日間に及ぶ撮影期間で総移動距離は2615キロ。加えて櫻井だけは船外でも大移動をこなした。レギュラー番組収録で1度帰国するために、寄港地のマレーシア・レダン島で下船。ボートや車、マレーシア国内線を乗り継ぎ帰国した。再び撮影に合流する際も、同様の行程をたどった。櫻井は「この旅路がロケの思い出ですね。いろいろありました」と感慨深げに振り返った。

 過密日程の中、睡眠時間を削ってロケ地では観光もした。「2日間で500枚写真を撮りました」と明かした。船内でも、プール、カジノなどの豪華施設を見て回った。

 撮影規模の拡大とともに、目標も世界公開にスケールアップした。北川や北川の上司、風祭警部役の椎名桔平(48)とは、昨秋にフジテレビ系で放送された連続ドラマ版に続く共演。北川は「アドリブもポンポン出ました。3人で仲良くなっていたので、楽しく頑張れました」。椎名が「世界的映画になるよう頑張ります」と言うと、櫻井も「お声掛けいただければ、(海外でも)ぜひ見ていただきたいです」と続いた。

 嵐のデビューは99年。メンバーのお披露目は、ハワイ・ホノルル沖の船上だった。当時を思い出しながら「船のサイズが全然違う。旗を持つ松本(潤)が吹っ飛ばされそうになっていましたからね。この船の安定感たるや。快適です」。船での思い出がまた1つ、刻まれた。【近藤由美子】

 ◆謎解きはディナーのあとで

 東川篤哉氏が手掛けた同名小説が原作で、2011年本屋大賞1位を受賞。第1作は183万部、第2作は93万部を売り上げたベストセラー。昨年10月クール放送のドラマ平均視聴率は15・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。3月にはスペシャルドラマも放送された。映画版は主要キャストの3人に加え、宮沢りえ、竹中直人、桜庭ななみ、中村雅俊、鹿賀丈史らが出演。

 ◆スーパースター・ヴァーゴ号

 シンガポールを拠点にアジア各地を周遊する豪華客船。全長268メートル、7万6800トン。客室935室で、乗客定員は1870人(2人1室の場合)。高さは14階建てビルに相当し、総面積は東京ドームの1・5倍。造船費は3億8000万ドル。運航開始の99年当時の為替、1ドル約120円で計算すると約456億円になる。レストランは9カ所、ヘリポートを備えているほか、ジム、プール、映画館、カジノなどの施設がある。6日間クルーズの場合、価格設定は10万円台~150万円台。