俳優船越英一郎(52)が高知県の観光をテーマにした映画「県庁おもてなし課」(来年5月公開)に、主演錦戸亮(27)の指南役として出演することが22日、分かった。既に撮影は始まり、船越はこのたび、実際に「観光振興部おもてなし課」が存在する高知県庁での撮影に参加。芸能生活30年で培った自身の「おもてなし論」を語る中で、妻でタレント松居一代(55)への思いを明かした。

 ロケ地に到着するや、高知県庁を訪問。中村智砂おもてなし課長(52)に「高知県の観光特使をやらせてください」と直訴するなど、やる気を前面に出した。1982年(昭57)にデビュー。自分なりに、もてなす心とは何かと自問していた最中、同作の話が舞い込んだ。「おもてなしとは、相手を理解し、知り、その上で好きになること。『ただ好き』では自己満足にすぎない」。熱く語り出した船越は、妻への思いも口にした。

 「あの人は暴れん坊ですからね~。でも、そこがうらやましい」

 これまで松居は、船越に京都の舞妓(まいこ)から頻繁にメールが来るのを嫌い、携帯電話を真っ二つに折ったり、鍋で煮たりし、船越と沢尻エリカのラブシーンにも嫉妬。同シーンの撮影が終わったことが事後報告だったことにも激怒し、パンチ、キックを浴びせ、船越が家出したことをブログで明かすなどした。文字通りの“鬼嫁”で、船越も「(松居は)全てを駆逐して前に進む。だからハラハラしますよ」。だが、マツイ棒を発明し、短大教授にも挑戦した松居を「思ったことはすぐに行動に移す。僕にはそれがないので、ジェラシーがある。かつて田中角栄さんを形容した『コンピューター付きブルドーザー』は、女房にも当てはまるんじゃないかな」。

 性格を知り尽くし、理解した上で妻を愛する船越。おもてなしの心で夫婦円満を守っているようだ。【三須一起】

 ◆映画「県庁おもてなし課」

 同課に配属された若き県庁職員役の錦戸は、仕事ぶりを観光特使にダメ出しされる。そこで、かつて県庁に勤めていた伝説の職員役、船越のもとへ指導を仰ぎに行く。船越は高知を観光立県にしようと斬新なアイデアを提案し続けたことで反発を買い、数十年前に県庁を追われていた。