長沢まさみ(25)と岡田将生(23)が恋愛映画で初共演を果たす。映画「潔く柔く(きよくやわく)」(新城毅彦監督、来年秋公開)にダブル主演することが19日、分かった。少女漫画界で多くのファンを持ついくえみ綾(りょう)氏(48)が手掛けた人気コミックが原作となる。単行本13巻は累計250万部を売り上げた原作は、エピソードごとに主要人物の視点で描くオムニバス形式。映画では、大切な人を亡くしたつらい過去をそれぞれ抱えた男女の出会いと恋模様を描く。

 畠山直人プロデューサーは、若手俳優代表格の2人の起用理由について、それぞれの特徴を示しながら説明した。

 「一見明るいキャラクターに見えるけど、暗い何かがある芝居ができる人は、この年代で長沢さん以外いない。岡田さんは粗削りの中に芯の強さを持つ一方、普通の男の子の感性を持っている俳優さん。この年代の恋愛映画としては、ベストキャスティングです」

 撮影は来年2月に開始。恋愛模様だけでなく主人公男女の成長も丁寧に描くために、詳細にもこだわる。少年少女期を演じる俳優をあえて使わず、長沢と岡田が高校時代から演じ切る。2人は制服姿も披露する予定。原作の大ファンの長沢は原作キャラクターに近づくべく、「髪を伸ばしたい」とロングヘアを提案しているという。畠山氏は「前向きな作品にしたい。もちろん恋愛映画なので、キスシーンも盛り込む予定です」と話している。

 出演決定を受け、長沢は「原作ファン(すべてが大好きです!)だったので、私で大丈夫かなと思いましたが、共演者の方々と良いチームワークを作って、すてきな作品にしていければと思います」。岡田は「原作の世界観を大切にしつつ、映画ならではの新たな『潔く柔く』を、長沢さんと一緒に作りたいと思います」と意気込んでいる。

 ◆潔く柔く

 高校1年の夏、瀬戸カンナ(長沢)は自分に思いを寄せていた幼なじみのハルタを失った。数年後、大学を卒業し、映画会社で働くカンナは、出版社で働く赤沢禄(岡田)と出会う。明るい禄だが、小学生のころ、幼なじみと一緒に事故に遭い、1人だけ生き残ってしまったというつらい過去を抱えていた。心の傷を抱えたまま大人になった2人は、まるで運命に導かれるように出会い、恋をする。