94歳の漫画家やなせたかし氏が6日、都内で行われたアニメ映画「それいけ!
アンパンマン
とばせ!
希望のハンカチ」(矢野博之監督)の初日舞台あいさつに立った。すると「順大病院に行っているんだけど、あと2、3週間しか生きられないって言われてるんだよ」とまさかの衝撃発言が飛び出し、場内が一瞬騒然とした。ところがすぐに「俺が死ねば(新聞記者は)原稿を20行は書くだろう。映画の宣伝になれば」とPRのためのブラックジョークだったと説明して観客を笑わせた。関係者も「病院で2、3週間という宣告も受けていないし根拠もない。深刻な病気でもない。『もう死ぬ』『あと2週間』というのは、ずっと言っています。先生なりの『老人ジョーク』でしょう」とあわててフォローしていた。
やなせ氏は6月16日の完成披露試写会で「自己紹介の歌」を歌ったが、この日も披露。
<歌詞>私はとうとう94歳
もう目は見えず耳聞こえず
立てばしゃっくり座ればバタン
歩く姿は枯れススキ、哀れなことになりました
前回の4分48秒より短い2分49秒の歌唱だったが、自虐ネタを盛り込み、歌声も力強かった。たどたどしい歩き方で年齢も感じさせるが、観客の前では衰えぬ「アンパンマン愛」を見せつけていた。【村上幸将】