人気子役として注目されてから10年。美山加恋(17)が公開中の映画「サクラサク」で確かな演技力を発揮している。7歳の時に04年ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」で草なぎ剛演じる主人公の1人娘を演じた。平均視聴率20・8%を記録し、けなげな演技が視聴者の涙を誘った。「サクラサク」では認知症の祖父を支える孫娘役。祖父役の藤竜也をはじめ南果歩、緒形直人ら実力派に囲まれた撮影だった。「ド緊張していたのですが、合間に話し掛けていただいたりして現場の空気の作り方などとても勉強になりました」。

 6歳から子役として活動している。「子供時代は現場でみんなに会える。それが楽しかった」。演技の相談は母親にしたが、中学進学を機に独り立ち。自分で考えて現場に立つようになった。「頭を使いすぎて、いろいろ試しすぎて悩みました」。体に変調も出てきた。セリフを言っている途中「気持ち悪い芝居をしている」と感じて首がけいれんした。「どうしてこんなことしているんだろう」。違和感は1年以上続いた。

 学校の授業で「夢」について作文する時間に「もともとお芝居が好きだったことを思い出した。少しずつ楽になっていきました」。今は高校に通いながら仕事している。「作品を支える女優になりたい」。スランプはもう遠い昔のことだ。

 ◆美山加恋(みやま・かれん)1996年(平8)12月12日、東京都生まれ。04年フジテレビ系「僕と彼女と彼女の生きる道」で注目される。「ちびまる子ちゃん」「砂時計」などのドラマに出演。血液型AB。※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀