公開中の米ディズニー映画「アナと雪の女王」の国内興行収入が、15日付で176・8億円となり、日本歴代6位に浮上した。配給会社が16日発表した。3月の公開から2カ月のロングヒットで、累計動員数も歴代9位の1391万2800人を記録。関連売り上げも好調で「アナ雪」旋風はとどまるところを知らない。

 「雪の女王」エルサが作り出した氷の世界とは対照的に、「アナ雪」は熱いヒットが続いている。「踊る大捜査線

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 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の173・5億円、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の173億円を一気に超え、興収歴代6位に浮上。外国アニメ映画としては、国内歴代1位の興収となった。

 まさに異例ずくめの大ヒットだ。通常は宣伝や、評判を聞いた人から口コミなどで伝わり、人気に火が付いていくのがヒットのパターン。だが「アナ雪」は、主題歌「Let

 it

 go」などの劇中歌に魅了され、繰り返し見るファンが多いという。作品は2D、3D版のほか、劇中歌の場面で字幕が流れ、観客が見ながら歌えるバージョンも上映された。それぞれ字幕、日本語吹き替え版があり、全6種を「完全制覇」した人やリピーターも多い。

 日本歴代9位となる動員数1391万2800人(15日付)は、国民の10人に1人は見た計算。現在も全国約700スクリーンで上映されており、公開から2カ月たった作品としては前代未聞ともいえる多さだ。

 主題歌が収録されたCDや衣装のドレス、ぬいぐるみなど、関連商品も大ヒット中。ファンの間では、続編やスピンオフ作品を期待する声が高まっており、うわさも膨らんでいる。「Let

 it

 go(放っておく)」していても、話題が話題を呼ぶ「アナ雪」。「ハリー・ポッターと賢者の石」(01年公開)以来13年ぶり、史上4作目の興収200億円超えも見えてきた。

 ◆アナと雪の女王

 ウォルト・ディズニー製作のアニメ映画で、アンデルセン童話「雪の女王」の世界観をベースにした物語。触れるものを凍らせる力を持つ王家の姉エルサは、強大化する魔力を抑えることができず、ついに世界を氷に包んでしまう。山にこもって1人で暮らし始めたエルサを救おうと、妹アナが雪山へ向かう。本年度のアカデミー賞で長編アニメ映画賞、主題歌賞を受賞した。<アナ雪旋風>

 ▼映画

 全世界でもヒット中で、興収は歴代6位の11億9074万ドル(約1190億円)を記録。

 ▼CD

 サウンドトラックのCDアルバムは2種類が発売。松たか子が歌う「Let

 it

 go」が収録されたバージョンは、最新オリコン週間チャートで2週連続1位。累計46・6万枚を売り上げアニメ映画のサントラでは歴代1位。同曲の別バージョンが収録されたMAY

 J.のカバーアルバムは週間チャートで7週連続トップ10。

 ▼ドレス

 タカラトミーが販売する主人公アナと姉エルサのドレスが、ほぼ売り切れ状態。雪だるまのオラフのぬいぐるみも既に10万個を出荷。