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ホーム > 芸能 > 映画大賞 > 第19回主演男優賞


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主演男優賞

渡辺謙「明日の記憶」で受賞

主演男優賞を受賞した渡辺謙。右は露木茂アナ(撮影・為田聡史)
主演男優賞を受賞した渡辺謙。右は露木茂アナ(撮影・為田聡史)
受賞コメント映像

  俳優生活28年目の初主演映画「明日の記憶」で主演男優賞を受賞した渡辺謙(47)は、喜びを隠せなかった。「この作品のような、難しいというか、映画になりにくい題材を映画にできたのがうれしいのと、それを賞として評価していただいて何よりもうれしい」。謙虚な言葉で語った。

  若年性認知症になったエリート会社員が、薄れゆく記憶の中で、妻とのきずなを再確認していく姿を描いた。渡辺は演じるだけでなく、エグゼクティブプロデューサーとして、配役や宣伝など全面的に作品とかかわった。

  「原作を読んでいるときから、(主人公の)佐伯になっていた。演じるというよりも、佐伯の目線で読んでいた。彼の世界観で自分が生きている気がしていた」。急性骨髄性白血病を乗り越えた経験もあり、「自分だけができる役柄」と覚悟を決めたのは自然な流れだ。「すぐに乗らなくてはいけない自分の車が目の前にある。あとは鍵を差し込んで回すだけだった」と心境を説明した。

  来年の抱負を聞くと「この賞を励みにして、一からではなく、ゼロからいろんなものを作りたい」。記録と記憶の両方に残る名演技を見せた渡辺。初の勲章におごることなく、謙虚に自然体で歩み続けていく。【松本久】

[2006年12月29日 紙面から]

渡辺謙(わたなべ・けん)
 本名同じ。1959年(昭和34年)10月21日、新潟県生まれ。79年に演劇集団「円」の養成所入り。84年「瀬戸内少年野球団」で映画デビュー。87年にNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」主演で全国区人気。03年「ラストサムライ」でハリウッド映画に出演しアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。最新主演作「硫黄島からの手紙」が9日公開。昨年12月に女優南果歩と再婚した。
「明日の記憶」
 幸せだった50歳の中年広告マン佐伯雅行(渡辺謙)が、若年性アルツハイマーを宣告される。1つずつの物事や記憶が忘れさられてしまう。だが、そばにはそっと支えてくれる妻枝美子がいた。思い出が消え去ったとき、最も大切なものが見えてくる。


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