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主演女優賞

第18回を振り返る

小泉今日子「今が一番楽しい」

主演女優賞を受賞した小泉今日子は胸元が大きく開いたセクシーなドレスで登場(撮影・川口晴也)
主演女優賞を受賞した小泉今日子は胸元が大きく開いたセクシーなドレスで登場(撮影・川口晴也)

 小泉がステージに上がり、ニコッと笑った。胸元が大きく開いたドレスにドキッとさせられる。ニコッと笑って、ドキッとさせるのはこの人の専売特許かもしれない。4年ぶりの主演映画「空中庭園」で、主演女優賞に輝いた。華やかさを発散する一方で、受賞の喜びは謙虚にまとめた。「映画は1人では作れない。すべての関係者を代表していただきます」。

 穏やかな口調だ。マイペースで選び抜いた仕事で確実に自分の世界を表現する。「今が人生で一番楽しい。充実しています」という。トップアイドルだった10代。歌うことの原動力は「世の中や大人への反抗心」だった。それが「今は体と心、言葉などがすべてのものが1つに、すごく自由に動ける。いろんな経験を重ねてきて、今はとても居心地が良い。20代よりも若くて元気な気がします」と自然に自己表現できることを実感している。

 劇中、「怖い」と思わせる演技やセリフが何度か出てくる。母親に向かって「あんた死んじゃいなよ」と吐き捨てる場面まである。普通の主婦が、そこまで追い詰められる心境について、解説を求めると「これまでなら言えないセリフ。でも、娘と母の微妙な関係なら成り立つかもしれない。女じゃないと分からない独特の感情。大人になる過程で、女としての苦しみを感じたときに母を疎ましく感じる。愛と憎しみが入り交じったものなんです」とした。恋愛、結婚、離婚…。年輪を重ねた小泉だから、演技と言葉で表現できる。

 2006年の2月4日に不惑を迎える。「人生の後半戦は、あきらめなきゃいけないことも増えてくる。それに反発できるように、体を鍛えて肉体派になります。年の割に良い動きをするなと言われたい」。次回作を問われると、ニコッとして満場の映画関係者にアピールした。「待ってますよ」。40代のコイズミがドキッとさせる。【松本久】

[2005/12/29 紙面から]

小泉今日子(こいずみ・きょうこ)
 1966年(昭和41年)2月4日、神奈川県生まれ。日本テレビ「スター誕生」をきっかけに、1982年「私の16才」で歌手デビュー。女優として1983年のドラマ「あんみつ姫」で初主演、同年「十階のモスキート」で映画デビュー。映画はほかに「風花」など。153センチ。血液型O。
「空中庭園」
 隠しごとをしないルールをつくっている家族。幸せそうに見えるが、実際はそれぞれが秘密を持っている。母親との確執に悩む絵里子(小泉今日子)、愛人と家庭とを行き来する夫(板尾創路)、学校をさぼりがちな子供たち(鈴木杏、広田雅裕)。夫の愛人(ソニン)が子供の家庭教師として家に来たのをきっかけに、家族の心がバラバラになる。


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