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ホーム > 芸能 > 映画大賞 > 第19回石原裕次郎賞


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石原裕次郎賞

反町、松山、佐藤監督…「戦友」再会

  映画「男たちの大和 YAMATO」の旅が28日、一つの輝かしい結実を迎えた。石原裕次郎賞を受賞し、裕次郎夫人の石原まき子さんから300万円の賞金が主演の反町隆史(33)に手渡され、松山ケンイチ(21)、佐藤純弥監督(74)らと喜びを分かち合った。約半年間、セットとはいえ実物大の「大和」で、ある種、運命をともにした男たちの達成感ある顔が誇らしげに輝いていた。

  それぞれの胸に「大和」への思い、そして戦争への思いが再び去来した。

  壇上には佐藤監督、反町隆史、松山ケンイチ、制作側から角川春樹プロデューサー、製作総指揮のテレビ朝日の広瀬道貞会長らが並んだ。幅広い世代によって支えられて完成した作品らしく20代から70代まで。戦争への思いが、映画の感想となって口をついた。

  「ぼくらの生まれる前の、多くの人たちの犠牲があって、今の平和な時代がある。そのことを映画に参加しながら改めて知った」と主演の反町が言えば「常識と思っていた平和が、いかに常識でないものなのか。それだけ、大事なものだと思った」と松山。

  終戦を12歳の中学生で迎えた監督は、大空襲の悲劇を胸に、撮影したとも語った。

  石原裕次郎賞は「ファンに支持されたヒット映画の中でも完成度の高い大型作品」という選考基準だ。6億円の実物大の「大和」のセットを作り、51億の興収を上げる大ヒットとなった「男たちの大和」は、その意味でも賞にふさわしい一作だった。

  反町に賞金300万円を手渡した石原まき子さんも「戦争の悲劇を後世に伝える素晴らしい作品でした」と手放しに絶賛した。

  「一作・一家」。映画を撮る度に、そんな決意で臨む佐藤監督だが、それが石原裕次郎賞受賞という輝かしい形で、思わぬ“一家・再会”を果たしたのもうれしかったのだろう。授賞式後に「松山君も蒼井君も久しぶりだが、ますますりっぱになったね」と相好を崩した後、「若い人たちが生きていくこれからの時代が、平和な時代であってほしいです」と映画に込めた熱い思いをあらためて口にした。【馬場龍彦】

[2006年12月29日 紙面から]

「男たちの大和 YAMATO」
 辺見じゅん氏の小説を映画化。1945年、大和の下士官森脇(反町隆史)、特年兵神尾(松山ケンイチ)らは母や恋人と最後の対面を済ませ、大和に乗船。病院を抜け出した内田(中村獅童)も。かなうはずもない米軍に特攻をかける。
佐藤純弥(さとう・じゅんや)
 1932年(昭和7年)11月6日、東京都生まれ。東映東京撮影所に助監督として入り、63年「陸軍残虐物語」で監督デビュー。68年からフリー。「新幹線大爆破」「人間の証明」「敦煌」などスケールの大きい社会派作品を数多く手がける。


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