<フィッシング・ルポ>

 長野・諏訪湖で穴釣りのワカサギが快釣中!?

 穴釣りといえば、氷上で酷寒の世界というイメージだが、どっこい!

 同湖も湖面が結氷してはいるものの、上諏訪地区の「諏訪湖レジャーセンター」が設営するドーム船内は温室風で寒さ知らず-。設置してある穴から釣り糸を垂らせば、ちょっとした穴釣り気分で多い人は350匹以上の好釣果をみている。今後は<産卵前の荒食い期>が始まる可能性もあり期待大だ。

 諏訪湖は今、周囲を囲む山々も含め白銀の世界、湖面も5分の3近くが結氷していて、氷上には部分的にうっすらと雪が積もる。氷の厚さは3~5センチぐらいだが、「諏訪湖レジャーセンター」が所有するドーム船は、上川から300メートルほど沖合に浮かび、店からは砕氷してつくられた水路を使い、和船で釣り客の送り迎えをしている。

 この日は、朝の外気温が氷点下の寒さだったが、ドーム船のビニールハウス内は入り口と奥にストーブが設置されていることもあって、20度以上の暖かさ。床にはいくつもの穴があり、子供連れやカップルなどがその穴から釣り糸を垂らし、銀ピカのワカサギが躍り上がると、「釣れた」と歓声が飛び交う。佐々木晴一さん(48=長野市)千世さん(40)夫妻も匠(たくみ)クン(11=小6)和(なごみ)ちゃん(6)と一緒にサオを出し、「朝のうち当たって、みんなで300匹以上釣れちゃった」と大はしゃぎだ。

 ワカサギは、群れで陰に入り込む習性があり、氷とドーム船の下はちょうどいい日陰になるらしい。誰かにヒットすると、あちこちで魚を取り込む光景が続いた。ただし、群れが回遊する時間帯はまちまちで、穴によっても当たり外れがある。加えて、プルプル…のアタリがあったのにハリから外れたりバラシが多く、結構アツくさせられるから面白い。

 そんな中で、2匹、3匹…5匹と多点掛けを連発していたのが諏訪湖の常連、兎沢雅英さん(38=東京都日野市)だ。電動リール付きの塩ビ製の平たいサオを使い、これが抜群の高感度で微妙なアタリも見逃さない。ほぼ入れ食いで、午前中に早くも350匹台をマークした。

 兎沢さんによると、今年はサイズがよく、平均して10センチ前後が主力で、中には12センチを超す大型も交じるという。大半がまだ卵を抱えていないが、3月とされる産卵期を前に、「時期的にはこれから<産卵前の荒食い期>に突入する期待もある」と話す。

 「諏訪湖レジャーセンター」では、氷の具合を見守りながら3月ごろまではドーム船での釣りを主流にして、状況によってボート釣りも再開させる予定。釣ったワカサギは、希望があれば店内で天ぷらにして食べさせてくれる。“寒さ知らずの穴釣り”を楽しむなら今でしょ!?

 ちょっと古かったが、荒食いが始まれば間違いなくチャンスだ。【長瀬川忠信】<地元常連・兎沢さんのアドバイス>

 ◆狙うタナは底から50センチ上が目安

 ワカサギは、通常は底釣りが基本だが、群れによっては少し上だったりするので、底上50~60センチを範囲内に探ってみる。一般に6本バリ仕掛けが標準で、一番上のハリと一番下のハリとの間を50~60センチにすれば、その範囲内で当たりダナを探りやすい。例えば、一番上に掛かれば、少し上のタナに合わせ、一番下だったら、オモリを底に付けたままサオ先を下げて糸をたるませて誘うなど、掛かる位置でタナを判断する。

 ◆エサは新しいものが有利

 今のところ、紅サシが主体だが、アタリが遠いようなら、サシを切って汁が出るようにすると、これがコマセの効果となって群れが寄ってくることがある。エサは色が変わったり形が崩れた時が交換のタイミング。特に、底近くのタナを探る下の3本バリはまめに付け替えるのがいい。

 ◆まめにやる

 ワカサギは群れで回遊しており、群れが回ってくるのを待つ釣りで、回ってきた時がチャンス。アタリがあったら軽く合わせておき、追い食いを狙って数をつなげた方が能率的だが、タナ取りやエサの交換など、手際よくやれるかがカギ。

 ▼問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「諏訪湖レジャーセンター」【電話】0266・53・6540。営業は午前7時から午後3時まで。ドーム船大人2700円から、中学生以下1500円。遊漁料は高校生以上1000円、中学生以下無料。観光釣り2時間コースもあり、遊漁料など含み大人3500円、中学生以下1500円。貸しザオと仕掛け&エサも常備。ボートもあり詳細は要確認。HP<http://homepage3.nifty.com/suwakoen/fishing.html>

 ▼交通

 電車はJR中央本線・上諏訪駅からタクシー利用。マイカーは中央自動車道・諏訪インターから諏訪湖・原田泰治美術館を目指す。詳細要確認。