<釣りステーション>

 静岡・伊豆の磯釣りが面白い。潮況はまだ“夏の延長”状態にあり、夏場の主役イサキが連発中だが、ここにきて、<冬磯の人気ターゲット>メジナも40センチ超の大型が釣れだした。このメジナを対象にして、12月から南伊豆・大瀬と同・石廊崎、西伊豆・雲見の3地区合同による「メジナダービー」がスタートする。その中で、雲見を中心に日刊釣りペン・クラブの磯釣りマン、鵜沢政則さん(63)が釣況をチェックした。

 伊豆半島周辺の海域は、潮温がまだ20度以上あって<冬磯>のスタートが遅れている。私が入った雲見もいまだにイサキが釣れているが、時期的にはメジナも侮れない存在だ。

 この日は、風は東系でベタナギ。午前6時すぎの渡船でまず、南側に位置する「サバ島」に乗せてもらった。最初は下り潮(雲見では南に向かう潮)が流れていたが、すぐに上り潮に変わり、ゆっくりと流れ始める。

 ここは、陸側は潮の動きが遅く、やや浅いものの、メジナ釣りには十分な深さで、冬場は面白いポイントになる。でも、この時期は水深と潮の流れがある方が有利、と判断し、沖側をウキD-フラッツ740~02でウキ止めなしの<全層仕掛け>で攻めることにした。

 コマセをまくと、足元にスズメダイの群れが寄ってきた。沖に天敵の青物でもいて警戒心を強めているのか、磯の際からなかなか離れないが、あまり気にならない。仕掛けを沖に投げ、ゆっくりと流すとエサが残った。何かがいる気配…。

 いきなり体感ショックの<サオ引き>でラインが引っ張られ、35センチ余りの良型イサキが躍り上がった。ヒットしたタナは海面から5~7メートルぐらい。例年ならシーズンは終わっているはずだが、今年は潮温が高いせいなのか、この後もヒットが続き、20匹以上をキープしたところで急にアタリが遠のく-。

 そこで、仕掛けを少し沈めてみると、今度はメジナが食いついた。サイズは30センチ前後が多いが、もう体力は回復しているらしく、グングン…底に突っ込む引きが小気味いい。20センチ以下の小型はほとんど食ってこなかった。

 その後、少し北側にある「長島」に移り、サオを出した。サバ島よりは水深があり、春はマダイの好ポイントで知られ、潮が速めに流れると、冬場はサイズのいいオナガメジナがヒットするし、もっとラッキーならマダイも飛びつく。

 しかし、潮はあいにく動きが悪く、最初はなかなかヒットしない。それでも、30分後、イサキがボツボツ掛かり、メジナも食いだした。そんな中で、やたら強烈に走り回る魚もきた。ちょっと小ぶりながら、今日イチ35センチ余りのオナガメジナだ。丸々と太っていて、このサイズにしては元気に引いた。

 今回、口太メジナは小ぶりが多かったが、今後西風が吹きだし、潮温が20度以下に下がってくれば、大型が狙えるシーズンに突入するのは間違いない。20度台を割るのがボーダーラインだろう。そんな中で、既にお隣の南伊豆では11月に入って、40センチ超が出始めた。大瀬の「倉の下」では1日に「オン根」で41・2センチ、2日「牛ケ瀬」で40・9センチが釣れている。また、石廊崎の「橋本屋」では1日に「赤島」で45・3センチの超ド級が、8日は「小島」で43・3センチ、9日も赤島で41・5センチがヒットし、冬磯の本番も間近だ。

 ▼渡船

 日刊スポーツ新聞社指定「佐市丸」【電話】0558・45・0248。渡船は午前6時から、5000円。宿泊は素泊まりから温泉利用も可能。HP<http://www.saichimaru.jp/>携帯<http://www.saichimaru.jp/imgboard/im.cgi>

 ▼交通

 車利用が便利。詳細要確認。