★12日午前、社民党の党首選挙が告示されたが立候補の届け出がなく、26日に再告示することになった。これは同党党首・吉田忠智の任期満了に伴うもので、吉田の3選は堅いとみられていた。吉田は16年の参院選挙で落選し、非議員のまま党首を務めていたが、来年の参院選挙に集中したいという理由で今回は出馬しないという。社民党党首選は複雑だ。党首選に出馬するには、所属都道府県連の推薦に加えて党員200人以上の推薦人が必要となる。つまり若手が挑戦するにしても簡単ではなく、それ相当の準備や全国区の顔になっていなければならない。

 ★さて、吉田だが来年の参院選挙の準備というものの、同党では幹事長・又市征治が出馬の意向。同じ自治労系候補となると吉田の立候補は事実上あり得ないといえる。また昨年の野党共闘議論で社民党が民進党と合流するプランは、自らの立候補を想定して又市が難色を示してきた。「その動きに拍車をかけたのが昨年の衆院選挙。社民党は議席ゼロの予測をたてられていたが、共闘せずとも議席獲得に成功した。これで又市は自信を深め吉田は身動きが取れなくなった」(社民党関係者)。

 ★今回の吉田の不出馬表明の裏には、そんないきさつがあったと同時に、吉田を立憲民主党が引き抜く極秘プランが水面下で進行している。吉田は大分県自治労旧社会主義協会系の出身で元党首・村山富市に近い。また吉田の穏健な政治姿勢への評価は高い。「吉田を立憲が引き込めば自治労は吉田を支えるため立憲とのつながりはより深くなる。来年の統一地方選を見据え、吉田も再選の可能性が高まる計画」(自治労関係者)。なかなかしたたかな戦略だ。(K)※敬称略