★「野党は共闘すべき」は野党支持層のなんとなくの共通目標となっている。また現実的にそれは実行され、一部では実現している。そこには選挙協力、それも候補者を立てない方法や野党統一候補を野党各党で応援する手法がある。それでももう1つモヤモヤしている部分が共産党の扱いだ。旧民社党やそれを支えてきた連合右派・旧同盟系は政策的隔たりがそのまま政治目標になっているような状態で、極めて敵対的な指導が続いている。それが野党共闘、立憲民主党と国民民主党の合併や、その後の共産党が言う民主連合政府構想への踏み込みをちゅうちょさせ、立憲や国民両党が持つ保守系支持層がモヤモヤする理由でもある。

★14日から3年ぶりに共産党大会が静岡県で開催されている。大会では04年以来16年ぶりに党綱領が改正される。間もなく結党100年になろうとする歴史ある政党が21世紀をどうとらえるべきか、現代社会や国民の価値観の変化を見ながらの歴史的な綱領改定である。「発達した資本主義での社会変革は社会主義・共産主義への大道」と位置付ける“代々木文学”はなかなか分かりにくいものの「搾取の自由の制限」など受け入れるべきものも多い。

★また共産党が“敵視”しているとみられる天皇制についていまさらながら「現憲法は『天皇』に制限条項が明記されている」と評価した。政党はかねがね国民の思想や考えをリードして綱領で理想を語るものであった。現代ではその現状にもうひとつ加味すべきものがある。国民の成熟度だ。法律がなくとも党が掲げなくとも党も国民に学び、国民の成熟度が政治を先に進ませる場合がある。「互いに学ぶ」「多様性の中の統一」は結党100年に向けた共産党の挑戦だが、それは「普通の政党」に見えかねないもろ刃の剣だ。票だけ欲しいと思っている野党は本格的に共産党研究に着手すべきだ。共産党は国民のだれもが受け入れられる理念と言葉が必要だ。来賓の1人、中村喜四郎は党員の圧倒的な拍手で迎えられたが「本気の野党候補を都知事選で立てるべき」と訴えた。共産党にとっては覚悟の党大会だ。(K)※敬称略