★私は一体いつの時代に生きているのだろうか。既に、先進国とは言い難い中、「日本はすごい」と鼓舞するテレビ番組はかつての覚悟とたしなみを持ち合わせた匠(たくみ)や、組織力や総合力で技術を開発した人たちの努力の遺産でしかない。すべての分野で蓄えを放出し続けているだけではないのか。ことに劣化が激しいのが政治と官僚の世界だ。この分野に関してテレビ番組で「日本はすごい」といえるだろうか。過去の話題でしか番組は作れないだろうと思うがいかがか。もっともそのテレビ局ですら外資規制を逸脱しても社長が「甘かった」程度の認識。東北新社の免許を取り消した後だけに、甘々のテレビ局と甘々の総務官僚のお粗末さが際立つ。

★さて劣化だが1日、NHKがネットで東京五輪の聖火リレーの生配信を行っているが「オリンピックに反対」などの声が聞こえた途端に音声が約30秒間途絶えたという。NHKは意図的に音を消したと認めた。2つのことが思い出された。1つは先の選挙などで当時の首相・安倍晋三にヤジを飛ばしたかどで私服警官や制服警官に取り囲まれ、その場を排除させられた人たちのことだ。もう1つは戦前の軍事政権の時代どころか、いまだに公文書が黒塗りで開示されることだ。すべては権力を守るためではなく、国民のためにやらないことが劣化や先祖返りだ。

★首相・菅義偉はこちらも外資規制に抵触しているのではないかと指摘されているテレビ局の単独インタビューに答えた。そんなことはお構いなしなのかもしれないが、そこで「(自民党)総裁としての任期、残り半年ということになりましたが、コロナ対策ということを徹底するということだと、総裁選には出馬される」と問われ「そこはしないとか、いろんな話ありますけど、やはりしっかりとしたこの結果を出すという、ですから総裁選の前に解散することも、当然、これはあり得るだろうというふうに思います」。質問と答えが全く合っていない。メディアは「解散」という言葉に反応しただけだ。政治家、官僚とともにメディアの劣化もひどいと付け加えたい。(K)※敬称略