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緑茶うがいでインフル対策

緑茶カテキンにはウイルスの感染を予防する力がある

 インフルエンザの流行が懸念される中、その予防に緑茶カテキンが有効であることがこのほど明らかになり注目を浴びている。静岡県立大・山田浩教授の研究によるもので、身近な緑茶に含まれるカテキンには抗菌・抗ウイルス作用があり、継続的なうがいで発症率を抑えることができるという。「緑茶うがい」でインフルエンザに対抗しよう。

 街中を歩いていると、大きなマスクで顔を覆い、行き交う姿が目立つようになってきた。気になるインフルエンザの流行。その自衛に腐心している人も多いことだろう。

 感染しないための予防策としては①体内に菌を入れないためのうがい、手洗いの励行②ワクチン接種や、栄養、休養を十分に取るなどの免疫対応、などが挙げられる。

 手洗いなどは、さまざまな情報が提供され、社会的な意識向上が図られている。一方、免疫対応はワクチンなどの緊急製造などで対応が進められているが、まだまだ十分とはいえない状況だ。

 そんな中で、「うがい」は誰でも身近にできる感染予防の最前線対策といえる。ここで朗報とされているのが静岡県立大薬学部・山田教授による検証成果だ。山田教授は、市販のうがい薬でなくても、身近な緑茶に含まれるカテキンには抗菌・抗ウイルス作用があり、緑茶でうがいをすることでインフルエンザ予防効果が期待できるという。

 山田教授は05年、特別養護老人ホームに入所する高齢者76人(平均年齢83歳、男性24人・女性52人)に緑茶カテキンのうがいを1日3回、3カ月にわたって行ってもらい、同時期に水でうがいを行った入所者48人(平均年齢83歳、男性16人・女性32人)と比較した。

 この結果、インフルエンザ発症者は、水でうがいを行ったグループが10%だったのに対し、緑茶カテキンのうがいを行ったグループで発症した人はわずか1・3%と、その有効性が認められたという。

 その後も同施設では、緑茶カテキンによるうがいが継続的に行われ、その結果05年の検証時には6人であったインフルエンザ発症者が、06、07年には0人、08年には1人と大幅に低下、その効果が発揮されたことから、入所中の高齢者たちに大いに喜ばれた。

 インフルエンザには主にA型、B型があるが、緑茶カテキンはA型、B型のいずれのインフルエンザウイルスにも対応。型にかかわらず緑茶カテキンがウイルスに吸着して感染を阻害することが分かっている。

 山田教授は「今回はうがいで検討を行ったが、緑茶の飲用でも効果は十分に期待できます。1度にたくさん飲むのではなく、緑茶のペットボトルを持ち歩いて、外でも小まめに飲むと、インフルエンザ予防に効果的だと考えられます」と強調している。

◆山田浩(やまだ・ひろし)

山田浩(やまだ・ひろし)

 81年自治医大医学部卒業後、静岡県の公立病院、診療所で地域医療に従事し、94年同大大学院博士課程修了(医学博士)。その後、聖隷浜松病院総合心療内科医長などを経て、05年4月から現職の静岡県立大薬学部医薬品情報解析学分野教授。専門は、臨床薬理学、神経内科学、内科学。茶カテキンをはじめとした健康食品の有効性や安全性評価に関する研究に従事している。主な編著書に「創薬育薬医療スタッフのための臨床試験テキストブック」(メディカル・パブリケーションズ)など。

静岡県島田市の2小学校で奨励

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静岡県島田市の小学校では蛇口から出る緑茶でうがいをしている

 お茶どころとして知られる静岡県島田市の市立五和(ごか)小と島田第一小の2校では、飲用のための給茶器を学校内に設置し、お茶のうがいを奨励している。

 給茶器の導入は、島田市が地元のお茶に親しみを持ってもらおうと06年に設置したのがきっかけ。蛇口から出る緑茶でうがいをしたり、家でお茶をペットボトルに入れてうがいをするよう指導したりと、継続してお茶を使用している。

 「給茶器導入以降、インフルエンザによる学級閉鎖はありません」と島田第一小の教頭が話すように、両校とも児童や職員があまり風邪をひかなくなり、新型インフルエンザの感染も確認されていないという。こまめにお茶を飲んだり、お茶でのうがいを続けることが効果を生んでいるようだ。

症状が出たらただちに医療機関へ

 空気が乾燥する季節になるにつれ、インフルエンザの流行が加速することが予想される。 もともと健康な人でも、呼吸困難や息切れ、3日以上の発熱、嘔吐(おうと)や下痢が続くなどの症状が出た場合は、ただちに医療機関を受診しよう。持病がある人や妊婦、乳幼児、高齢者ら感染すると重症化するリスクが高いと判断される人は、人込みを避けるなど感染しないように心掛けたい。

 また感染してしまった場合にも、同居する家族などに感染させないようにすることが大切だ。周囲の人から離れてせきをするなど配慮が必要。また熱が下がっても、インフルエンザの感染力は残っているため、発熱やせき、のどの痛みなどの症状が始まった日の翌日から7日目までは外出も避けたい。


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