埼玉県上尾市の障害者支援施設「コスモス・アース」で、男性利用者(19)が送迎用のワゴン車内に約6時間放置され熱中症で死亡した事故で、当日施設に男性の姿がなかったのに、出欠を示す黒板で出席扱いになっていたことが15日、県への取材で分かった。県警は同日、業務上過失致死容疑で、施設を家宅捜索。関係資料を押収し、管理態勢に問題がなかったか調べている。

 県によると事故当日の13日、調理場の職員が昼食の数を決めるために施設内の黒板を確認すると、男性が「出席」扱いになっていたという。手付かずのまま残された昼食で不在に気付いた職員もいたが、施設内で情報が共有されず、捜したり保護者に連絡を取ったりはしなかった。施設利用者は朝に連絡帳を出すことになっていたが、当日は本人の連絡帳はなかった。

 男性は午前9時ごろ、送迎車で施設に到着後、1人だけ車内に残され、午後4時の閉所時間が近づいたころに後部座席で倒れているのを発見された。

 昼食時を含め、男性が車で到着してから発見されるまでに少なくとも5回の出欠確認の機会があったことも、県関係者への取材で分かった。施設ではグループ作業開始時や2回の休憩の際などに人数確認をしているという。その機会が生かされず、なぜ置き去りにされたままとなったのか、県警が詳しい経緯を調べている。