神戸市北区の無職南部達夫さん(83)方で16日早朝、南部さんが刃物で刺されるなどして倒れているのが見つかり、間もなく死亡した。妻観雪(みゆき)さん(83)が室内で、近所に住む辻やゑ子さん(79)も自宅で死亡しており、兵庫県警は、包丁を持っていたとして銃刀法違反の疑いで、近くの神社にいた南部さんの孫で無職の竹島叶実(かなみ)容疑者(26)を現行犯逮捕した。

 死亡した南部さんと観雪さんは、普段から一緒に出歩く仲のいい夫婦で、近隣住民からも温厚な人柄で慕われていた。南部さんは元消防士で、消防署長まで務めた。

 近くで和菓子店を営む男性(71)は「背が高く、(83歳でも)腰も曲がっていなかった」。外出する際には観雪さんを支えるようにし、家でも洗濯物を干すのを手伝っていた姿が印象に残っているという。夫婦で菓子を買いに訪れ、育てた野菜をお裾分けしてくれたことも。「2日ほど前にトマトやキュウリを持ってきてくれたばかりだったのに…」と表情をくもらせた。

 消防士時代の後輩の南部幸造さん(70)も「若い頃に人命救助し表彰されたこともあったはず。気さくで話しかけやすく、人格者だった」と肩を落とした。退職後は清掃活動に携わるなど地域の活動に精を出していたという。

 竹島容疑者は対照的に住民との交流はほとんどなかったようだ。近所の不動産会社の男性(60)はリュックサックを背負って歩く姿や、パチンコ店にいるところを見かけたことはあるが話した記憶はない。同じ中学校に通った女性は「陸上部で短距離選手だったと思う。地味な人柄だった」と話していた。