太平洋戦争中にサイパン島から日章旗を持ち帰った元米海兵隊員のマービン・ストロンボさん(93)が来日し、東京都内で13日に開いた記者会見で「旧日本兵の遺族に直接返したい。私にとっても一つの(戦後の)終止符になる」と語った。日章旗は終戦記念日の15日、岐阜県東白川村で引き渡される。

 ストロンボさんの娘の依頼で、旧日本兵の遺品の返還活動に取り組む米国のNPO「OBON(オボン)ソサエティ」が持ち主を捜していた。これまでに100枚以上の日章旗を返してきたが、当事者が遺族に直接手渡すのは初めてという。

 旗の持ち主は、サイパン島で戦死した東白川村出身の安江定男さん。会見でストロンボさんは「旗を見つけた時、私がこれを持ち帰らなければ戦地で永遠に失われると考えた。心の中で、亡くなった日本兵に『いつかどうにかして家族に戻す』と誓った」と話した。

 戦後は、自宅の棚で大切に保管してきたといい「遺族に会ったら、どのように入手したのかや、最期の様子を伝えたい」と語った。

 同席した日本遺族会の水落敏栄会長は「戦後72年を経てもなお、遺骨や遺品を待ち望んでいる家族がいることを知ってほしい」と訴えた。(共同)