埼玉、群馬両県の総菜店「でりしゃす」系列店でポテトサラダなどを食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染した集団食中毒で、前橋市は13日、同市の店舗を利用した東京都の女児(3)が感染し、9月上旬に死亡したと明らかにした。一連の問題で死者が出たのは初。女児が食べたのはポテトサラダ以外の加熱した総菜で、市はトングの使い回しによる2次汚染の可能性があるとしている。厚労省は同日、都道府県などに対し、食品事業者や医療機関などに注意喚起するよう求める通知を出した。

 前橋市によると、女児は8月11日に「でりしゃす六供(ろっく)店」で調理・販売されたタケノコやエビの炒め物、天ぷら、きんぴらごぼうの4品を食べてO157に感染。溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し、今月上旬に入院先の都内の病院で亡くなった。

 女児は総菜を、親族の集まりで60代女性と一緒に食べたという。この60代女性の感染も新たに判明し、六供店で同日に販売された総菜を食べた感染者は、既に判明している9人と合わせ計11人となった。

 この食中毒では、フレッシュコーポレーション(群馬県太田市)が運営する埼玉と群馬の「でりしゃす」系列店で、ポテトサラダやマリネを食べた20人がO157に感染したことが判明。サラダを製造した工場や各店舗が自治体の調査を受けたが、菌が混入した経路は依然分かっていない。

 前橋市は女児の死亡を受けて、記者会見。六供店ではポテトサラダを食べた人が感染しているが、女児はポテトサラダを食べておらず、いずれも加熱された食品を食べていた。O157の菌は、75度以上で1分以上加熱すると死滅する。市は「でりしゃす」が、客が自分で大皿から取った総菜を量り売りする方式だったことから、トングの使い回しなどにより「調理後に店で販売する段階で、別の総菜や客から菌が付着し、2次汚染が起きた可能性がある」と説明した。

 一連の問題で、「でりしゃす」は系列全17店舗で8月24日から営業を自粛。六供店と埼玉県熊谷市の「籠原店」が営業停止処分を受けた。その後、衛生管理に問題がないことが確認されたとして、今月7日に全店舗の営業を再開したばかりだった。六供店は13日から再び営業を自粛した。

 ◆O157 腸管出血性大腸菌の一種で、少量でも食中毒の原因となる。発熱や下痢、血便を引き起こし、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を併発して死亡することもある。抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は重症化しやすい。生または加熱が不十分な肉、野菜など幅広い食品で感染例がある。75度で1分以上加熱するか塩素で殺菌する。1996年には堺市で集団食中毒が発生し9000人以上が感染、小学生3人が死亡している。