12日午前9時半ごろ、佐賀市富士町の天山スキー場の駐車場で行われていた「ドリフト」走行会で、乗用車がコースを外れ、観客に突っ込んだ。乗用車に乗っていた2人と観客2人の計4人がドクターヘリなどで病院に搬送され、観客の40代男性(佐賀県小城市)が脳挫傷で意識不明の重体、2人が顎や胸部を骨折する重傷を負った。運転していた20代の男性(長崎県西海市)も首にけがをした。

 天山スキー場によると、走行会は佐賀市の自動車整備販売会社「カーピット森永」が開催。カーブで車のタイヤを滑らせながら走るドリフトの愛好者が集まり、66台が参加していた(参加料1台5000円)。事故当時、駐車場には観客を含め約100人がいたという。

 駐車場は冬季以外はサーキット場などとして使われており、参加者は午前9時から車を走らせていた。事故を起こした乗用車は時計回りに走行中、制御不能となり、コースと観客を仕切っていた高さ30センチの花壇に乗り上げ、観客に突っ込んだ。重傷を負ったのは助手席に乗り、胸部骨折した長崎県の30代男性と、顎の骨を折った観客で佐賀市の20代男性。

 佐賀北署は主催した「カーピット森永」の関係者から事情を聴き、業務上過失致傷容疑などでの立件を視野に安全管理が適切だったか調べている。同社の森永純平社長は謝罪した上で「車を好きになってもらいたいとの思いで(走行会を)開いた。主催者として責任があるが、今回のような事故は想定できていなかった。観客とコースが近く、それがいけなかったかもしれない」と話した。

 ドリフトは危険運転行為として知られるが、サーキットで迫力と芸術性を競うモータースポーツとしても発展。D1グランプリも開催され、「ドリフター」と呼ばれる愛好者は数万人いるとされる。ただ、事故は多く、昨年11月、宇都宮市のサーキット場で行われた競技会では車から外れた車輪が関係者を直撃、女性が死亡している。

 ◆ドリフト カーブでスピードを落とさずに、滑りながらコーナーを回る走法のこと。