国営イラン通信は14日、同国西部のイラク国境付近で発生した地震による死者が530人に達したと報じた。赤新月社によると、イラク側では10人以上が死亡。負傷者は両国で約8000人になった。12日に起きた地震から3日目を迎え、イラン政府は被害の全容把握を急いでいるが、余震の多発や山間部の急峻(きゅうしゅん)な地形などで難航しており、死者数はさらに増える恐れがある。

 被災地を視察したロウハニ大統領は「多くの住民が生活必需品を必要としている」と述べ、劣悪な避難生活の改善に向けて緊急支援に予算を集中的に投入する方針を表明した。

 救助隊は重機や災害救助犬も投入して捜索を急ぐが、市街地では倒壊家屋が道路をふさぎ、自由に行き来できない場所も少なくない。住民の生存情報も錯綜(さくそう)しており、活動は難航している。

 イラン当局者によると、震源に近い西部ケルマンシャー州では既に百数十回の余震を観測。多くの被災者が地震発生直後から屋外での避難生活を強いられており、支援を望む声が高まっている。

 被害が甚大だった西部サルポレザハブの広場で避難生活を送るアイシェ・パラニさん(32)は「毎晩寒さと激痛で一睡もできない」と疲労困憊(こんぱい)。発生当日に落下物によって頭と足に重傷を負い救急搬送されたが、病院に患者が殺到したため簡単な応急処置しか受けられなかったと語り、切迫した状況を訴えた。

 被災地の一部では、支援物資を積んだトラックが不満を爆発させた住民によって略奪される事案も発生。ある救助関係者は「地震直後の混乱で初動が遅れ、支援活動が計画通りに進んでいない」と明かした。(共同)