東京都江東区の富岡八幡宮の女性宮司ら4人が死傷した事件で、宮司の弟が妻と共に、宮司が自宅近くで車から降りるのを待ち構えて襲撃後、弟は自殺したとみられることが8日、警視庁捜査1課への取材で分かった。弟は住所、職業不詳富岡茂永容疑者(56)、宮司は長子さん(58)。

 長子さんは2002年1月、宮司の地位を巡る親族間のトラブルについて警視庁深川署に相談。茂永容疑者は06年1月、長子さんに「地獄へ送る」などのはがきを送ったとして、同署に脅迫容疑で逮捕されていた。

 捜査1課は、宮司の地位を巡って茂永容疑者と長子さんに、長年にわたってトラブルがあったとみて、殺人容疑で詳しい動機などを調べるとともに、現場付近の防犯カメラの画像解析を急ぐ。

 捜査1課によると、茂永容疑者は30代とみられる妻と境内付近の住宅の陰に隠れ、長子さんが車から降りた直後に襲った。現場には凶器とみられる刃渡り約80センチの日本刀1本が、真ん中から折れた状態で落ちていた。

 妻は別の日本刀を持って車から降りた男性運転手(33)を追い掛け、約100メートル先のスーパーマーケット前で切り付けた。運転手は右肩などに重傷を負ったが、命に別条はない。

 その後、茂永容疑者は境内で妻の胸や腹を刺して殺害し、自殺したとみられる。付近には刃渡り約45センチの日本刀1本と、刃渡り約20センチのサバイバルナイフ2本があった。

 富岡八幡宮によると、長子さんを宮司にするよう神社本庁に具申していたが、認められず、今年9月に神社本庁から離脱。その後、長子さんが宮司になっていた。

 富岡八幡宮の祭りを取り仕切る神輿総代の男性は7月ごろ、茂永容疑者から電話を受けた。泣きながら不安定な様子で、長子さんの批判や不満を繰り返していたという。(共同)