2005年の栃木小1女児殺害事件で殺人などの罪に問われ、1審で無期懲役の判決を受けた勝又拓哉被告(35)の控訴審で、東京高検が殺害の日時と場所に関する主張を従来よりも広げる異例の訴因変更を東京高裁に請求したことが11日、関係者への取材で分かった。

 控訴審では、勝又被告が捜査段階で自白した殺害の日時と場所が客観証拠と矛盾していないかが争点になっている。高検は、これまでの審理経過から1審判決通りの立証は困難だと判断したとみられる。

 検察側は、05年12月2日午前4時ごろ、遺体発見現場に近い茨城県常陸大宮市の林道で殺害したと主張し、16年4月の1審宇都宮地裁判決は起訴内容通りに殺害したと認定、無罪主張を退けた。

 高検は今月10日付で、起訴内容の殺害日時を「05年12月1日午後2時38分ごろから2日午前4時ごろまでの間」とし、殺害場所も「栃木県か茨城県内とその周辺」と変更するよう求めた。1日午後2時38分は下校中の被害者が同級生と別れたとされる時刻。

 凶器など有力な物証はなく、1審は勝又被告の捜査段階の自白に信用性があると判断した。弁護側は控訴審で「遺体や現場の状況と矛盾しており、信用できない」と主張。訴因変更については「異例の請求だが、弁護団で十分議論した上で意見書を出したい」としている。

 昨年12月11日の第3回公判に出廷した検察側証人の上村公一東京医科歯科大教授は、裁判官から客観証拠と自白が異なる可能性があるかと問われ「2、3割は違う部分があるかもしれない」と証言していた。

 藤井敏明裁判長は昨年12月21日の前回公判で、訴因変更するかどうかを明らかにするよう検察側に求めていた。(共同)