11日午前10時18分ごろ、大阪府八尾市の将棋用品の専門店「将棋博物館二歩(にふ)」に男が押し入り、女性従業員(36)をいすに縛り付けて、ショーケース内の将棋駒のセットを奪い逃走した。八尾署によると、同店の経営者は明治時代の駒師・牛谷露滴の作品など500万円以上する駒を含め30~40セットが奪われ、被害総額は5000万円を超えると説明している。

 「将棋博物館二歩」はホームページで「将棋の駒在庫数日本一」「関西で唯一将棋の駒の製造販売を行っている」とする専門店。営業は月、水、金曜の午前10時~午後4時のみで、この日は休日だったが、用事のあった女性従業員がオートロックのビルに入ったところ、すぐ後ろにいた男が押し入った。男は女性従業員を羽交い締めにした後、鋭利な金属を当て「静かにしろ」と脅迫。テープで後ろ手にした上で、いすに縛り付けた。ショーケースのガラスを割り、将棋駒を奪った。

 男は40代ぐらいで、付近の防犯カメラによると、上下黒の服で、黒い帽子をかぶり、白のマスクをしていた。女性従業員にけがはなく、経営者に連絡し、経営者が午前10時37分ごろ、110番通報した。

 店内には約200セットの将棋の駒が展示されていたが、経営者によると高価なものばかり狙われたという。同店は会員制。八尾署では「何回も下見しているのではないか」とみている。経営者は藤井聡太四段のプロデビュー以降の将棋ブームについて「いつもより多く発注が来てうれしい悲鳴です」とホームページに書いていた。