動きだす気配のない電車に、乗客の疲労や帰りを待つ家族の怒りはピークに達した。大雪のため、11日夜から12日にかけて新潟県内で一晩中立ち往生したJR信越線の普通電車。混雑する車内では乗客が席を譲り合う姿も。「すごく眠い」。一夜を明かした乗客らは疲れ切った表情を見せた。

 電車は4両編成で、一時は約430人が閉じ込められた。12日未明になって、家族らの迎えが来た乗客が順次、運転席のドアから避難したが、大半は10時間以上車内で過ごした。JR東日本の職員が「気を付けて降りてください」と声を掛けた。

 先頭車両にいた専門学校生の男性(20)によると、電車が止まった際に「雪かきをして動くか試験する」と放送が流れた。いったんはがくんと動いたがすぐに止まり、その後は全く動かなくなった。席を譲られるお年寄りもいたが、男性はずっと立ちっぱなしだったといい「目を閉じて時間が過ぎるのを待った。とにかく疲れた」と話した。

 新潟県長岡市の高校3年栗林美豊さん(17)は友人2人と乗っていた。日付が変わったころから、疲れた人に席を譲り合う光景が目立ち始めた。栗林さんら3人も2人分の席に代わる代わる座り、他の人にも譲った。

 トイレは男女共用で1カ所しかなく、行列ができた。何十分も待っている人もおり、トイレットペーパーがなくなった。JR東からペットボトルの水と栄養補給食品が配られたが、トイレに行かなくて済むよう水分を取らずに過ごした。

 電車が止まった新潟県三条市の踏切付近には乗客の家族らが駆け付けた。高校3年の娘を迎えにきた男性会社員(50)は「明日はセンター試験なので、一刻も早く休ませてあげたい。動く動くと言いながら全然動かないし、JRの対応はちょっとおかしいんじゃないか」と憤った。(共同)