北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、米韓両軍の定例の共同訓練を非難し、同日開催予定だった南北閣僚級会談を中止すると表明した。また北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)第1外務次官は、米国が一方的な核放棄を強要するなら6月12日に予定される米朝首脳会談に応じるか「再考慮せざるを得ない」との談話を発表、首脳会談中止の可能性をちらつかせてけん制した。韓国統一省も16日未明、北朝鮮が南北閣僚級会談の無期延期を通知してきたと発表した。

 北朝鮮の非核化が焦点となる米朝首脳会談を前に、関係国を揺さぶる狙いとみられる。韓国統一省は「遺憾であり、速やかに会談に応じることを求める」との報道官声明を発表した。

 米韓両軍は定例の共同訓練「マックス・サンダー」を11日に始めていた。北朝鮮はこの訓練を中止の理由としているが、韓国統一省によると、北朝鮮が南北閣僚級会談の開催を通知してきたのは15日で、既に共同訓練は始まっていた。

 韓国の聯合ニュースは16日、軍消息筋の話として、共同訓練に参加予定だった米軍のB52戦略爆撃機が参加を見送る方針だと報じた。北朝鮮の反発を受けた措置とみられる。

 朝鮮中央通信は4月の南北首脳会談で発表した「板門店宣言」で、軍事的緊張緩和へ努力することで合意したと指摘。米韓訓練は「宣言に対する露骨な挑戦であり、良い方向に発展する朝鮮半島情勢に逆行する故意の軍事挑発だ」と非難した。

 閣僚級会談中止の責任は全面的に韓国当局にあるとし「我々は米国と南朝鮮(韓国)当局の今後の態度を鋭意注視する」と強調した。

 北朝鮮は23~25日の間に北東部豊渓里(プンゲリ)の核実験場を廃棄すると発表。同通信はこの問題については触れておらず、現時点では予定通り行われるとみられる。

 マックス・サンダーは米韓空軍が2009年から毎年実施。今年は25日まで行われる。

 韓国統一省によると、16日の南北閣僚級会談では、板門店宣言の履行に向け、分野別の会談日程や具体策などを議論する予定だった。(共同)