東日本大震災の津波で児童74人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の訴訟を巡り、遺族で原告の只野英昭さん(47)が25日、東京都内で開かれた市民向けの講演会に出席し「もう誰にも自分と同じ思いをしてほしくない」と訴えた。

 只野さんは長女未捺さん(当時9)を亡くし、大川小での津波被害について語り部活動をしている。「未来の防災のために後世に語り継いでいきたい。裁判だけでなく、防災の意識を日本全国、世界各国にしっかり発信していく時期だ」と語り掛けた。

 遺族側の斎藤雅弘弁護士も講演し、4月26日の仙台高裁判決について「子どもの命を守るために、関係部署が情報交換して協力するようにとの判決だ。個人の責任ではなく組織的過失を認めた」と意義を強調した。

 高裁判決は、津波襲来の危険性を「予見可能だった」と指摘。石巻市と県に約14億3600万円の賠償を命じた。市と県は判決を不服として上告している。(共同)