東日本大震災を題材にした北条裕子さんの芥川賞候補作「美しい顔」が文芸誌「群像」掲載時に参考文献を記載しなかった問題で、北条さんは9日、「私の物書きとしての未熟さゆえに、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまったことを、深くおわび申し上げます」とするコメントを、同誌を刊行する講談社を通じて発表した。

 北条さんは、参考文献は単行本刊行時に記載すればいいと考えていたとして、「私の過失であり、甘えでした」と釈明。文献と作中の表現の類似については「想像の力でうそになるようなことを書いてはいけないと考えていた」とした。

 また、被災地を一度も訪ねていなかったことにも言及。創作は被災地について「わずかでも理解しようとする試み」で、それが「人の痛みに寄りそうことになる」と信じていたが、参考文献の関係者や被災地への想像力と心配りが足りなかったと説明した。(共同)