西日本豪雨で川の堤防が決壊して浸水し、多数の死者が出た岡山県倉敷市真備町地区で、被害が大きかった川の北側に市が避難指示を出したのは、最初の堤防決壊が確認される約4分前だったことが10日、分かった。市は、想定外の増水で対応に問題はなかったとの認識だが、降雨のピークが夜から未明だったことも重なり、結果的に多くの住民が逃げ遅れた。

 国土交通省が川の堤防決壊を確認したのは少なくとも3カ所で、高梁川支流の小田川の2カ所と、小田川に流れ込む高馬川の1カ所。小田川の北側を中心に真備町地区の面積の約3割に当たる約1200ヘクタールが浸水した。家屋に取り残されるなどし、高齢者を中心に、子どもを含む少なくとも40人以上が犠牲となった。

 市は6日午後10時に地区の全域に避難勧告を発表。午後11時45分に小田川の南側、7日午前1時半に北側にそれぞれ避難指示を出した。国交省はその約4分後の午前1時34分ごろ、小田川との合流地点近くの高馬川で堤防の決壊を確認。午前6時52分ごろ、すぐ近くの小田川の堤防決壊も確認した。

 倉敷市の伊東香織市長は同省岡山河川事務所と連絡を取り合い、川の水位の動向を随時把握。その上で、市の基準に達する前に勧告や指示を出したという。8日の記者会見で「水位が急激に上昇した。大変残念な状況だ」と述べ、想定外の事態だったと強調した。

 市は決壊時に想定される浸水域を記した「洪水ハザードマップ」を作製し、今回の浸水域とほぼ重なる。市は氾濫の恐れがある場合、早めの避難を呼び掛けていたが防げなかった。