岐阜県は9日、岐阜市の養豚場で死んだ豚を検査し、豚コレラのウイルスが検出されたと発表した。国内での感染確認は1992年以来、26年ぶり。豚やイノシシ特有の病気で人には感染せず、感染した豚の肉を食べても影響はない。場内の他の豚の殺処分を進める。農林水産省は豚肉の輸出を停止した。

豚コレラはアジアを中心に発生しているが、国内での発生は熊本県で92年に5頭への感染が確認されて以来。農水省のホームページによると、国内では2007年に「清浄化」を達成したとされる。今回の感染ルートは分かっておらず、県が調べる。野生のイノシシや飼料が原因の可能性があるという。

農水省は防疫対策本部の会議を開き、対応を協議。斎藤健農相は「まん延防止には初動対応が大事だ」と述べ、封じ込めに取り組む考えを示した。輸出停止は、発生の確認で日本が豚コレラの清浄国ではなくなったため。再び清浄国になるには少なくとも3カ月かかる見込み。輸出相手国が了承した場合は、輸出できる可能性があるという。

県によると、養豚場では3日に1頭が急死。県の簡易検査では感染が確認できなかったが、国の精密検査で9日早朝、感染が判明したという。

既に養豚場内では4~8日に約80頭が相次いで死んだ。残る610頭は殺処分を進め、12日までに埋却や場内の消毒を終える見通し。現場の養豚場には9日朝、白い防護服やマスク、ゴーグル姿の県職員が到着。ショベルカーで敷地内の空き地に埋却用の穴を掘るなど防疫作業を進めた。

豚コレラは家畜伝染病に指定され、発熱や食欲減退、歩行困難などの症状が現れる。感染力が強く、致死性が高い。(共同)