安倍晋三首相は10日夜(日本時間同)、ロシア極東ウラジオストクでプーチン大統領と会談した。海産物養殖など5項目を対象とする北方領土での共同経済活動の実現に向けたロードマップ(行程表)で合意。日本が調査団を10月初めに現地に派遣することでも一致した。北朝鮮問題では非核化実現への連携を確認した。両首脳の会談は5月のモスクワ以来で、第1次安倍政権時代を含めて22回目となった。

会談後の共同記者発表で、首相は「共同経済活動の具体的内容と実施に向けた作業の進め方で合意した」と強調。北方領土について「私たちの手で必ず問題に終止符を打つ」と述べた。プーチン氏は「受け入れ可能な解決策を模索する用意がある」と応じた。

首相は領土問題解決と平和条約締結につなげたい考えだが、北方四島は自国領だとするロシアの姿勢に変化はなく、先行きは見通せない。

会談で両首脳は、国際会議に合わせて会談を重ねる方針を確認。来年6月の大阪での20カ国・地域(G20)首脳会合のためプーチン氏が来日し、首脳会談を行うことも申し合わせた。共同経済活動の5項目を巡っては、海産物養殖はウニを、温室栽培ではイチゴを対象に関連作業を進めるほか、観光ツアー開発はパッケージツアーを作成することなどで合意した。

北方領土の近隣地域を含む住民の「自由な移動」についても協議。北朝鮮問題では南北対話推進に協力する考えを共有した。首相は、北朝鮮への経済協力には日本人拉致問題解決が不可欠だとも説明し、プーチン氏の理解と協力を得た。

防衛交流を巡り、河野克俊統合幕僚長の10月の訪ロで一致。日ロ租税条約の10月発効を歓迎した。両首脳は両国の経済協力に関する成果文書の交換式に立ち会った。

首相は10日午後、ウラジオストクに政府専用機で到着した。(共同)