日本人24人を含む約3000人が犠牲になった2001年9月の米中枢同時テロの発生から17年を迎えた11日、航空機が激突して崩壊したニューヨークの世界貿易センタービルの跡地などで追悼式典が開かれた。跡地近くで昨年、過激派組織「イスラム国」(IS)の思想に傾倒した人物によるテロが起きており、依然として脅威は消えていない。

同時テロを契機に米国が始めたアフガニスタンの戦争は米史上最長の戦争となっている。トランプ政権はアフガン政府と反政府武装勢力タリバンの和平を進めようとしているが先行きは不透明だ。

乗っ取られた後、乗客らが抵抗したユナイテッド航空93便が墜落した東部ペンシルベニア州シャンクスビルの現場近郊の式典では、トランプ大統領が乗客の勇気をたたえ「米国の未来は敵ではなく我々の英雄によってつくられる」と述べた。

ニューヨークの同時テロ跡地ではビル北棟に1機目が激突した午前8時46分(日本時間午後9時46分)に合わせ、鎮魂の人工池を設けた記念広場で参列者が黙とうし、遺族の代表が犠牲者の名前を読み上げた。3機目が突入したワシントン郊外の国防総省での式典では、マティス国防長官が「誤った信仰心のもとで無実の人々を殺すような憎悪に満ちた者たちの台頭を許さない」と語った。

銀行に勤めていた長男の杉山陽一さん(当時34)を失った東京都目黒区の住山一貞さん(81)は10日、ニューヨークの式典に先立ち共同通信の取材に応じ「ここに来ることで息子に会えるような気持ちになる」と静かに語った。住山さんは妻のマリさん(78)とテロ現場近くに昨年完成した「9・11トリビュート博物館」を訪れた。

テロ跡地の再開発では今年6月に高さ約330メートルの高層ビル「3WTC(タワー3)」が完成した。広場を囲むように計5棟の高層ビルが立ち並ぶ計画で3WTCは4棟目。がれきに埋もれ閉鎖されたままだった地下鉄の駅は今月8日、17年ぶりに再開した。(共同)