最大震度7の地震で全線の運行がストップしたJR北海道で14日、全路線での特急の運行が再開した。復旧路線が増える一方、再開が「未定」のままの路線もある。経営状態が悪い同社は不採算路線の対応にもともと苦慮している。過去の大規模な自然災害では、別の交通機関に切り替わった例もあり、地元では廃線につながらないか警戒感も出ている。

14日は石勝線の南千歳-新得間が復旧。特急スーパーおおぞらとスーパーとかちの運行が可能になり、地震前に特急が走っていた全路線で再開した。一方、JR北海道が明らかにしている道内各路線の再開時期には、9月中の日付が並ぶ。橋桁がずれ、線路がゆがむなどした日高線の苫小牧-鵡川間は唯一、橋の調査を理由に再開のめどが立たない。

同社は2016年11月、この区間を含む13区間、約1200キロについて、乗客数が極端に少ないなどとして「当社単独での維持困難」と公表。運賃値上げや、施設の保有と運行の主体を別にする「上下分離方式」などによる路線維持を模索する一方、既に廃線が決定した区間もある。

日高線のこの区間について、同社は「鉄道で復旧する方針だ」との立場を崩していない。地元むかわ町の竹中喜之町長は「震災を要因に鉄路の存続を危うくするのは絶対にしないでほしい。町民の足を奪わないよう一刻も早い復旧を」と話す。

JR東日本では、東日本大震災で津波に襲われた岩手、宮城両県を結ぶ大船渡線と宮城県の気仙沼線にバス高速輸送システム(BRT)を導入。11年の福島・新潟豪雨に見舞われた福島県内の只見線は、福島県が線路などを保有し、JRが運行する「上下分離」により21年度の再開を目指す。

一方、地元自治体と鉄道会社で主張が対立する例も。昨年、豪雨被害に遭った福岡、大分両県を結ぶ日田彦山線では、JR九州がBRTなどに切り替える可能性を示したのに対し、鉄道にこだわる地元は反対姿勢だ。

災害による路線存続が相次ぎ問題化している事態を踏まえ、国は支援の拡充に乗りだした。今年6月には改正鉄道軌道整備法が成立。被災した赤字路線復旧のため、黒字会社にも国や自治体による資金援助が可能になった。だがJR関係者は「鉄道マンは廃線という言葉を意地でも口にしたくないが、維持コストまで考えると検討せざるを得ない」と胸中を明かす。(共同)