自民党国会議員の元秘書が、秘書時代に1億円を奪う強盗事件を起こした疑いで逮捕された。京都府警は8日、2010年に京都市左京区の住宅で現金1億円を奪ったとして、元国会議員秘書の上倉崇敬(かみくら・たかゆき)容疑者(44=住所不定)と知人の無職西谷真弓容疑者(59=同市西京区)を逮捕した。両容疑者は選挙運動で知り合っていた。府警は2人の認否を明らかにしていない。

2人の逮捕容疑は共謀の上、10年9月29日午後2時40分ごろ、左京区の民家に宅配業者を装って訪れ、この家に住む女性(60)に刃物を突きつけて両手を縛り、金庫にあった現金約1億円を奪った疑い。女性は手首などに軽傷を負った。府警は、上倉容疑者が借金の返済や遊興費に使った可能性があるとみている。

上倉容疑者は事件当時、自民党の二之湯智(さとし)参院議員(京都選挙区)の公設第2秘書だった。西谷容疑者は工務店を経営。現場は西谷容疑者の取引先の不動産会社社長(13年に死亡)宅で、多額の現金があるとの情報を上倉容疑者に伝えていたとみられる。

関係者によると、上倉容疑者は二之湯氏が初当選した04年参院選の前にアルバイトとして事務所に入り、当選後に公設秘書となり、11年夏まで務めた。関係者は、上倉容疑者が事務所に入った経緯を「この人なら間違いないという京都の有力な方から『使ってやってくれ』と頼まれた」と明かした。二之湯氏は「まったく知るよしもなかった。事実だとしたら秘書在任中の犯行であり、驚きを隠せない」と話した。上倉容疑者は事務所を辞めた後、佐藤ゆかり氏ら自民党議員の公設第2秘書を務めていた。

上倉容疑者は秘書退職後の16年6月、宅配業者を装って島根県出雲市の住宅に押し入り、この家に住む高齢男性にけがをさせたとして強盗致傷などの疑いで逮捕され、昨年6月に広島高裁松江支部から懲役5年の判決を受けた。また、服役中の今年10月、別の事件の強要未遂事件で府警に逮捕されていた。

◆二之湯智(にのゆ・さとし)1944年(昭19)9月13日、京都市左京区生まれ。慶大卒。野中広務後援会事務局長、京都市議などを経て、04年参院選で初当選(現在は3期目)。総務副大臣などを務めた。二之湯武史参院議員(41)は長男。