北海道松前町で今月18日に漂着しているのが見つかった木造船に「朝鮮人民軍380軍部隊」と表記されていたことが29日、町への取材で分かった。

同町の無人島、松前小島では昨年11月、漂着した北朝鮮船の船長らが発電機などを盗む事件があり、その際の船にも「朝鮮人民軍第854軍部隊」と記されていた。専門家は「軍関連のビジネスとして漁業を行っているとみられる」と指摘する。

函館海上保安部によると、船は長さ約10メートル、幅約2メートル。同町では18日にほぼ同じ大きさの船2隻が見つかった。町によると、うち1隻の内側に白地に赤いハングルで軍に関する表記があった。3桁と5桁の数字もあり、その下には「リ・チュンソク」という人名とみられる記述もあった。

環日本海経済研究所の三村光弘主任研究員によると、北朝鮮ではタンパク源の確保や経済資源として漁業が国策として推奨され、人民軍と円滑な関係を築くため、一般事業者が金銭や漁獲物を上納して軍の船と表示する許可を得ている可能性があるという。「人民軍側は独自に金銭を稼がなくてはならず、事業者も軍の公認を得た方が安全。利害の一致がある」と指摘する。(共同)