神奈川県大井町の東名高速道路で昨年6月、あおり運転を受け無理やり停車させられた夫婦が別のトラックに追突され死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた石橋和歩被告(26)の裁判員裁判が6日、横浜地裁(深沢茂之裁判長)で開かれた。この日は死亡事故とは別件のあおり運転に伴う強要未遂や器物損壊の罪の計3事件の審理で、検察側は「交通上のトラブルをきっかけに憤慨して起こした」と指摘した。

検察側は証拠調べで、これらの3事件とは別に石橋被告が昨年5月、中国自動車道でパトカーの進路妨害をするあおり運転をしていたと説明。元交際相手の女性の「昨年4月から8月末の間に同様のトラブルが10回以上あった」との供述調書も読み上げた。

検察側は3事件の冒頭陳述で、いずれも自分の車が追い越されたことに腹を立て、文句を言おうと無理やり停止させたと主張。その後、降車を要求したり、ドアを蹴ったりしたとし、「執拗(しつよう)かつ悪質だ」と強調した。

弁護側は、器物損壊罪は起訴内容を認め、2件の強要未遂罪は「降車を求めていない」と争った。東名高速死亡事故後の強要未遂事件では、いったんは被害者の車から遠ざかろうと追い越したが、「クラクションを鳴らされ、我慢の限界になった」と説明した。

3事件の起訴状によると、石橋被告は昨年5~8月に2回、いずれも山口県内で、トラック運転手に文句を言うため進路妨害で停車させて運転手を降車させようとしたとしている。また同5月、同県内で乗用車のドアを蹴ったとされる。(共同)