東京都江東区のアポ電強盗殺人事件で、犯行に使われた車両とみられる軽乗用車が、2月28日の事件前に長野県から東京方面に向かい、事件後には神奈川県を経由して再び長野県に戻っていたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。

警視庁深川署捜査本部は、いずれも長野県出身で住所不定、無職須江拓貴(22)=強盗殺人容疑で逮捕、酒井佑太(22)=同=の2容疑者が、土地勘のある長野県を拠点にし、事件後には一時潜伏した可能性があるとみて捜査している。

神奈川県を経由したのは川崎市の土木作業員小松園竜飛容疑者(27)=同=を自宅方面に送ったためとみられる。

捜査本部は、都内や両県の防犯カメラ画像などの記録を詳細に解析し、江東区の現場から逃走した3人組の軽乗用車の動きを特定。捜査関係者によると、犯行車両と特徴がほぼ一致する軽乗用車が2月28日の事件前後に、長野県と東京を往復していたことが分かった。

殺害された江東区の加藤邦子さん(80)宅には事件前、資産状況を尋ねる「アポ電(アポイントメント電話)」があった。3人組のアポ電強盗は1月に渋谷区初台、2月に同区笹塚でも連続発生している。

笹塚と江東区の現場で採取された靴の跡は酷似しているものもあり、同じ人物が関与したとみられる。一方で、現場付近の防犯カメラ画像には3容疑者とは別の人物が写っていることも判明した。捜査本部は、犯罪グループが事件ごとに実行役を入れ替えた疑いがあるとみて組織性を捜査。3人から押収した携帯電話には別人の名義のものが含まれ、軽乗用車も別人名義だったことなどから、調達方法を調べる。