熊本県北部の県立高校3年の女子生徒(当時17)が昨年5月、いじめを受けたことをほのめかす遺書を書いて自殺した問題で、県教育委員会の第三者委員会は26日、他の生徒らによる5件のいじめがあったと認定し、自殺に影響を与えたとする最終報告書をまとめ、宮尾千加子県教育長に提出した。

最終報告書の発表を受け、遺族は「娘が生きていたことを知ってほしい」として女子生徒の写真を公表、名前を「知華」さんと明らかにした。母親(45)は記者会見で「遺書で残した言葉の意味が何だったのかを知りたいと思っていた。ちゃんと寄り添ってもらった」と報告書を評価した。

第三者委は、校外で他の生徒が男子生徒を撮影し、写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿した動画に知華さんが写り込んだことがいじめの引き金になったと判断。会員制交流サイト(SNS)の安易な利用が深刻な事態を引き起こす可能性について、指導の徹底が必要だと指摘した。

九州ルーテル学院大准教授で第三者委の岩永靖会長は記者会見でSNSの利用に関し「企業のガイドラインを参考にするなど踏み込んだ取り組みが必要だ」と語った。

報告書は、複数の生徒らによる「死ねばいい」「よく学校これたね。まじウザ」「視界から消えてほしい」などといった一連の発言は、いじめに該当すると認定。連続して発言されたことから「心理的苦痛が増幅したことは想像に難くない」と指摘した。発言の一部が知華さんの遺書に書かれており、自殺の要因と認められるとした。

学校や遺族によると、知華さんは昨年5月17日、体調不良を理由に早退して自宅で自殺を図り、翌日未明に死亡した。リビングに、「『死ねばいい』と言われた」「誤解なのに。死にたい」と記された遺書があった。

いじめ防止対策推進法に基づく県の条例や規則に従って設置された第三者委は、医師や弁護士ら6人で構成。いじめの有無や、自殺との因果関係を調べていた。(共同)