千葉県野田市立小4年の栗原心愛さん(当時10)が1月、自宅浴室で死亡した虐待事件で、心愛さんが県柏児童相談所の一時保護中、父勇一郎被告(41=傷害致死罪などで起訴)から「ズボンを下ろされ、パンツも脱げた」と児相職員に訴え、医師が性的虐待の疑いがあると診断していたことが14日、県関係者らへの取材で分かった。

関係者によると、心愛さんは一時保護中の17年11~12月、面談した児相職員に「夜中に起こされ、パパが急にズボンを下ろしてきた。パンツも脱げた」と打ち明けた。「やめてよ」と言ってすぐにズボンを上げると、勇一郎被告から「そんなこと言うとばれるだろ」と言われたという。

児相は被害の疑いを把握しながら一時保護を解除しており、国や県が一連の判断が妥当だったか、検証を進めている。児相は「検証中なのでコメントできない」とした。県の担当者は「重大な検証事項と受け止めている」と話した。

心愛さんは、就寝時に手で口や鼻をふさがれ「死ぬかと思った」と身体的な虐待も訴えた。医師は「暴力行為だけでなく性的虐待を含み、恐怖心はかなり強い」との所見を示し、17年12月中旬、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断。勇一郎被告は児相に対して虐待を否定していた。

元児相所長でNPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「性的虐待の疑いがある場合、父の元に返さないのが大前提」として「子どもの立場からすれば、助けを求めてもこうなってしまうとの事例を作った罪は大きい」と話す。

心愛さんは学校のアンケートで勇一郎被告からの暴力を訴え、児相が17年11月7日に一時保護。12月27日に親族宅での生活を条件に解除し、18年2月に帰宅を認めた。また、傷害ほう助罪で起訴された母なぎさ被告(32)の初公判は、16日に千葉地裁で開かれる。