愛知県警は8日、万引事件で男を現行犯逮捕したのに刑事訴訟法で定められた手続きを怠った上、署長らに報告せず無断で釈放したとして、犯人隠避の疑いで稲沢署刑事課長の男性警部(58)と同係長の男性警部補(43)を書類送検し、課長を停職3カ月の懲戒処分、係長ら2人を本部長注意などとした。課長は同日、依願退職した。

県警によると、逮捕直後に相次いだ110番への対応を優先して人員を割くため、課長が係長に指示して釈放した。

同署は6月4日午後1時ごろ、同県稲沢市のホームセンターで約1300円相当の園芸用品3点を万引したとして、窃盗容疑で70代の男を現行犯逮捕した。

だが約25分後と約40分後、市内で「遺体が見つかった」などの110番が2件あった。課長は殺人事件の可能性があると考え、係長に釈放を指示。容疑の認否などを確認する弁解録取などの手続きをしていなかった。

課長は万引事件の発生を署長ら上司に知らせたが逮捕は伝えていなかった。110番はいずれも殺人事件ではなかった。

6月5日に県警監察官室に情報提供があった。松田英視首席監察官は「県民におわびする。再発防止に努める」とコメントした。(共同)