宮内庁は9日、上皇后美智子さま(84)が早期の乳がんと診断され、手術を受けられると発表した。検査の結果、左胸の乳腺に、腫瘤(しゅりゅう=しこり)が見つかったという。8月下旬の上皇さまとの静養を終えた9月以降に、手術を受けられる見通し。転移の可能性は低いという。上皇さまの退位とともに皇后から退かれた美智子さま。今年に入ってから、体重の減少や体力の低下がみられていたという。

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宮内庁の説明によると、美智子さまは7月12日の定期健康診断で乳腺エコー検査を受けた際、左胸の乳腺に腫瘤が発見された。2日後の同15日に東大病院でMRI検査を行った結果、悪性腫瘍を疑わせる所見が認められた。

今月2日、宮内庁病院で組織検査を行い、比較的早期の乳がんと診断された。会見した永井良三皇室医務主管によると、診察結果は9日朝、上皇ご夫妻に伝えられた。ご夫妻は冷静に聞いていたという。

美智子さまはこれまで10年以上、定期的に乳がんの検査を受けられている。半年から1年前の前回検査では、異常は認められなかったという。現在も自覚症状はないといい、永井氏は「極めて早期の乳がん。転移の可能性は低いと考えている」と述べた。

今年4月30日をもって上皇さまが退位され、美智子さまも皇后から上皇后となられた。今年に入り、日課の朝の散策後に息切れなどの症状が目立つようになった。6月に検査を受けられた際は、中度の三尖(さんせん)弁逆流症や不整脈などの所見が認められた。数年前からはものが見えにくくなる症状もあり、同月に都内の病院で、両目の白内障の手術も受けた。

上皇后さまは現在、体重の減少など体力の低下がみられるという。永井氏は会見で「代替わりなどで忙しい日々を送り、ストレスがあったのではないか」と述べた。8月下旬には上皇さまとともに長野・軽井沢などでの静養が予定されている。宮内庁は、手術に向けて体力の増強を図ることが重要としており、静養による回復を待って入院、手術をする計画を立てている。

美智子さまは先月下旬、代替わり後、初のご静養で栃木県那須町の那須御用邸を訪れた際、上皇さまと敷地内を散策。報道陣の問いかけに笑顔で応じ、元気そうなご様子をみせていた。