520人が亡くなった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から12日で34年になるのを前に、現場となった「御巣鷹の尾根」の麓を流れる群馬県上野村の神流川で11日夕、故人をしのぶ灯籠流しが行われた。遺族らは空の安全と事故の再発防止を祈り、水面に向かって静かに手を合わせた。

日航機事故の遺族でつくる「8・12連絡会」などが主催。参加者全員が村役場近くの河原で黙とうし、墜落時刻の午後6時56分、「ずっとずっと安全な空」「いつまでも忘れない」などのメッセージが書かれた灯籠を川に浮かべた。アコーディオンとオカリナの調べが響く中、約300個の明かりが川面を照らした。

参加者は事故で亡くなった歌手の坂本九さん=当時(43)=の歌謡曲「見上げてごらん夜の星を」などを合唱。河原に520羽の折り鶴を並べて「空」の文字を作り、ろうそくで囲った。 

日航では昨年来、パイロットの飲酒不祥事が相次いだ。事故で夫の孝之さん=当時(29)=を亡くした大阪府豊中市の小沢紀美さん(63)は「愛する人を失いたくないという思いで訴えてきたことが、どこまで伝わっているのかと悲しかった。日航の社員には、この事故を知り、感じ、どう行動すべきかを考えてほしい」と話した。

東日本大震災の津波で長女薫さん=当時(18)=を亡くした宮城県亘理町の早坂満さん(57)は「事故や震災の遺族は皆同じ気持ち。悲しみは変わらない」と語った。

12日朝には御巣鷹の尾根に慰霊登山し、墜落地点に建てられた「昇魂之碑」の前で事故の再発防止を祈願。午後には麓の「慰霊の園」で追悼慰霊式が開かれる。

事故は85年8月12日に発生。羽田発大阪行き日航123便ジャンボ機が墜落し、乗客乗員524人のうち520人が死亡、4人が救助された。(共同)