安倍晋三首相(自民党総裁)は11日の内閣改造・党役員人事で、岩屋毅防衛相の後任に河野太郎外相を横滑りさせる方向で調整に入った。

世耕弘成経済産業相は退任し、党参院幹事長への就任が検討されている。このほか江藤拓首相補佐官の農相起用と西村康稔官房副長官、萩生田光一幹事長代行の初入閣も有力となった。鈴木俊一五輪相は党総務会長に、甘利明選対委員長は党税制調査会長に充てる。関係者が9日までに明らかにした。

首相は8日、岩屋、河野、鈴木各氏が所属する麻生派会長の麻生太郎副総理兼財務相と東京都内の私邸で会談した。

内閣改造で首相は、茂木敏充経済再生担当相の外相起用を既に固めている。外相を2年務めた河野氏は将来の首相候補の一人とみられている。

首相は、韓国人元徴用工訴訟問題や慰安婦問題を巡り韓国側に日本の立場を厳格に示した河野氏の姿勢を評価。防衛相起用で、韓国側に誤ったメッセージを与えない狙いもありそうだ。就任すれば、日韓関係悪化によって揺らぐ日米韓3カ国の安全保障面の連携維持といった課題に当たる。

世耕氏に関しては、引退した吉田博美前参院幹事長に代わる党参院側の取りまとめ役を委ねる。経産相として対韓輸出規制を担ったが、交代に支障はないと判断したもようだ。自身に近い世耕氏を参院幹部に据え、秋の臨時国会以降、憲法改正論議の進展を期待する。

江藤氏は農林水産副大臣などを歴任し、首相補佐官として農林水産物の輸出振興を担当している。西村氏は首相の出身派閥、細田派に所属する。萩生田氏は官房副長官も務めた首相側近で、幹事長代行続投の見方が強かった。加藤勝信総務会長は「ポスト安倍」候補として経産相を含む経済閣僚が検討されている。

鈴木氏は4月、失言で更迭された桜田義孝氏の後任として五輪相に再登板した。麻生氏の義弟。父の故鈴木善幸元首相はかつて総務会長を長く務めた。甘利氏の後任選対委員長には下村博文憲法改正推進本部長が浮上している。(共同)