東京電力福島第1原発で増え続ける汚染水を浄化した後の処理水に関し、原田義昭環境相は10日の記者会見で「所管外ではあるが、思い切って放出して希釈するほかに選択肢はない」と述べた。

海洋放出計画の有無に懸念を示す韓国政府に、日本政府は「処分方法は未定」と回答しており、原田氏の発言が波紋を広げる可能性もある。

菅義偉官房長官はその後の記者会見で「処分方法決定の事実はない。政府小委員会で議論を尽くし、しっかり検討を進める」と述べた。発言に関し「個人的意見と承知している」とも話した。

海洋放出に言及した理由について原田氏は、第1原発敷地内に立ち並ぶ処理水保管タンクを視察したことや、原子力規制委員会が放出案を支持している点を挙げた。韓国を念頭に「国によっては意見が出ると思うが、誠意を尽くして説明することが何よりも大切だ」としたほか「政府全体で慎重に議論されると思う」とも付け加えた。

複数の処分計画案を検討してきた政府小委では8月、長期保管の可否についても本格的な議論を開始。福島の漁業関係者らは風評被害を心配し海洋放出に反対している。

東電は、第1原発敷地内で保管タンクの容量が2022年夏ごろに満杯になるとの見通しを示している。(共同)