「逃亡犯条例」改正案を発端とした抗議活動が続く香港のスタジアムで10日夜、サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の香港-イラン戦が行われた際、数千人の香港サポーターらが試合開始前の中国国歌演奏中に大ブーイングを浴びせた。

通信アプリ上では、国際社会にアピールするため試合に合わせたデモが呼び掛けられていた。サポーターらはイランの国歌には拍手を送る一方、中国国歌には腕でバツ印をつくるなどした。英語で「香港は中国ではない」と書かれた幕も掲げられた。

試合中も、香港代表のシンボルカラーの赤色のシャツを着たサポーターらが「香港を取り戻せ」などと叫んだ。

香港ではこれまでにもサッカーの国際試合で、一部サポーターが中国国歌の演奏中にブーイングを浴びせ、香港サッカー協会が罰金などの処分を受けたことがある。今回の抗議活動で再び処分を科される可能性がある。

香港政府は4日に改正案の撤回を表明したが、デモ隊は普通選挙の実現などを求めて抗議活動を継続。中国政府への反発も高まっている。

香港政府は今年1月、中国国歌への侮辱行為を禁じる国歌条例案を立法会(議会)に提出。違反者には最高で禁錮3年を科す罰則も盛り込まれた。今夏の可決を目指していたが、逃亡犯条例を巡る抗議活動の激化を受け、本会議での審議は秋以降に延期された。(共同)