日本製のバルブに韓国が課した反ダンピング(不当廉売)関税を巡る通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の「二審」に当たる上級委員会は10日、韓国に是正を勧告する報告書を公表した。「一審」の紛争処理小委員会(パネル)に続いてWTO協定違反を認めて結論も維持し、日本の勝訴となった。上級委の判断が最終決定となる。

ただ韓国政府は「勝訴した」と主張し、現在の反ダンピング関税を維持する構え。元徴用工問題や日本の輸出規制強化を巡って対立が深まる中、両国は新たな火種を抱えることになった。

上級委の判断は今後30日以内に、WTOの紛争処理機関(DSB)で正式に採択される。世耕弘成経済産業相は「WTO協定に整合しない措置の誠実かつ速やかな是正を求めていく」との談話を発表。韓国が是正措置を取らない場合、日本はバルブに限らず、韓国からの物品に対して追加関税を課すなど、対抗措置を取ることができる。

一方、韓国産業通商資源省の兪明希(ユミョンヒ)・通商交渉本部長は11日、争点の大半で協定違反ではないと認定されたとし「韓国の勝訴が確定した」と表明。関税措置の撤回に否定的な考えを示した。聯合ニュースは、日本の主張が受け入れられたのは一部のみだと報じた。

上級委は、日本製バルブは韓国製よりも高機能かつ高価格のため、そもそも競合せず、韓国当局が両者の価格を比較した際の基準もあいまいだったと認定。日本製品の輸入が韓国製品の価格引き下げにつながったのかどうかについても適切な調査が行われていなかったとした。

問題となったバルブは、圧縮した空気の流れを制御する部品。工場の製造ラインで使われる。(共同)